ヴォイス道トレーナー 折笠です。
前回「声が若返るハイラインブレス法」をお伝えしました。
で、今回は低音の渋い声を出したい方向け!
女性が段々と声が太く低くなってくるのに対し
男性は徐々に声が高くなってきて
男女差がなくなってくるなんて言われますが(汗)
身体的に言うと、女性は顔やお腹周りなど
重力に負けて筋肉が下に下に下がってくることから
声の楽器としての身体の器自体は大きくなり
身体的に、筋肉も緩み低い声が出しやすくなる、
代わりに筋肉の衰えから高い声は出しにくくなります。
男性は年齢とともに、筋肉が緩むのではなく
硬くなるそうです。
男性は元々腹式呼吸だと言われてますが
体幹の筋肉も硬くなれば呼吸は浅くなり
よって男性の声は徐々に高くなるのでしょう。
というわけでヴォイス道では
身体の作りを考えて声の出し方を
お伝えしているわけですが
声の原理としてよくレッスンなどで
お話させて頂いているコレ。
ペットボトルの飲み口に、唇を当てて
息を吹き込むと音がなります。
空っぽの時はこんな感じ
低めの音
3分の1ほど水を入れると
音が上がります。
3分の2ほど水を入れれば
さらに音は高くなります。
要は身体を器と捉えて
身体の空間を使って
響きをコントロールする
この原理を発声に生かしています。
つまり低い音はできるだけ
力を抜いて身体の深いところまで
拡げていく。
声を出すポイントの
レンジ(幅)を拡げて
身体を大きく使って
響きを出して行きます。
で、低い声を出すために
低いライン(ローライン)で
呼吸して声を出していく方法を
お伝えしています。
この方法、例えば背が高い人は
胴が長いから声道も長くなる分だけ
声が出しにくくなり
声がこもりやすくなります。
特に従来の腹式発声の出し方、
声を引っ張り上げる方法だと
より声を出すのが大変です。
背が高いとレンジ(声の幅)が
広がるということもありますが
背が低い方がコントロールは
しやすくなります。
背の高い人は胴が長い分だけ
器が大きくなりますので
うまく使えば表現の幅も広くなります。
そのためか声の出し方を工夫して
高い声を出しやすくしている
背の高い歌手の方もいます。
本来はその幅を
使いこなせるようになると
表現の幅はものすごく広がります。
あー、長くなっちゃいそうなので
表現の幅の話はまた別の機会に
お伝えしますね。
で、今回は発声の土台にもなる
ローライン(低音)の
発声をやりましょうということですが
このローライン発声法だと
声を引っ張り上げないので
低い声が出しやすくなります。
で、息のラインを
習得するために、
言葉について
母音の「あ・い・う・え・お」には
身体の中でも声を出しやすい
ポイントがあります。
それが添付の図に記したものです。
ヴォイス道のトレーニングで
呼吸を大事にしているのは
発声だけではなく、メンタル面や
うまく身体や脳を働かせることも
含んでいるのですが
先ほどの息の流れに加えて
それをスムーズにしてくれる
「言葉」の力を重要視していて
なぜ日本人が発声力が乏しくて
英語圏の人など他の国の方々が
声が大きく聞こえるかというのを
私は身体的な問題ではなく、
使っている(喋っている)
「言語」の問題と考えています。
なので、英語を積極的に
ボイストレーニングに取り入れて
息の流れとともに
声を出していくトレーニングを
やっています。
しかも
英語だと挨拶だけでも
気持ちが表向きになり
恥ずかしがっていては逆に違和感が残ります。
H i ! (ハーイ)
H e y !(ヘーイ)
Yeah ! (イェーイ)
また日本語ではあまり使われない
GYA(ぎゃ)、KYA(きゃ)
WO (うぉ)、PYA(ぴゃ)など
いわゆる外来語の音は
唇や舌をたくさん使うし、
日本語よりも息を流して発声します。
リズムもあります。
積極的にそういう言葉を
発していくことがトレーニングに
なると考えて取り入れています。
で、ローラインの発声、
母音でいうと「お」
実際、母音を順番に
やってもらうとわかると
思いますが、
深いところで一番
声を出しやすいのが
「お」です。
「お〜〜〜〜」と
下腹の辺りで出してみましょう。
次に
「うぉ(Wo)〜〜〜」と
出してみてください。
「うぉ(Wo)」だと
声を出すときに「お」よりも
息が多く必要になるので
低い声が出しやすくなると思います。
できるだけ重心を下げ
鳩尾を引き上げないように
身体の内側の力を抜いて
発声しましょう。
身体の内側を入れ物として
大きく拡げるイメージです。
そうすることで
身体から深い響きを
引き出します。
で、発声してみたとき、
なんか声がヘロヘロする、
なんとなく力が入りにくい、
声が抜けるような感じがある
そんな時は
お腹周り(体幹)の筋肉が
しっかり働いていない
可能性が大きいです。
そしてこのとき、
とても大事なのが
「骨盤底筋」の働きなのです。
高い声の時にも大事だと
お伝えしましたね。
歌を歌っている人は
「お尻の穴に力を入れろ」なんて
聞いたことある方もいらっしゃると
思います。
本当に大事なのはお尻の穴というより
この骨盤底筋です。
身体を入れ物に見立てた時、
「底」の部分にあるのが骨盤底筋ですから
どれだけ大事かわかりますよね?
この骨盤底筋。
発声にめっちゃ関係ありです!
この骨盤底筋を整えるということも
発声の呼吸法ワークショップでやっています。
この骨盤底筋も
女性は徐々に緩んできてしまい
男性は硬くなってきてしまうんです。
まぁ筋肉で繋がってますから
当然ですよね。
姿勢にも呼吸にも関わる大事な筋肉。
その影響は声にも出てきます。
今や「声」だけで病気も診断できると
言われているくらいですからねー。
声の状態が気になるなら早めの
身体のメンテナンスが必要かもです!
長く健やかな老後のためにも
健康寿命を延ばすためにも
ちょっと意識してみませんか?