
※AIにて作成した画像です
ヴォイス道トレーナー、折笠マリコです。
前回のブログでは「優しい相棒」を見つける方法と、簡単なワークをご紹介しました。
それでも、
「人前に立つと緊張して声が出なくなる」
「頭ではわかっているのに、自分を出し切れない」
「なかなか自分と仲良くなれない」
そんな感覚が残っている方もいるかもしれません。
今日は、そんな場面で少し気持ちを切り替えるための一つの方法として、
「モードを使い分ける」という考え方をご紹介します。
「オルター・エゴ(別の人格)」という考え方
練習ではできているのに、本番になると力が出せない。
やりたい気持ちはあるのに、どうしても怖さが先に立ってしまう。
心理学の分野では「オルター・エゴ(Alter Ego)」という考え方があります。
これは、いつもの自分とは少し違う“役割の自分”を意識的に使うことで、
緊張や不安から距離をとり、行動しやすくする方法です。
*トッド・ハーマン著「ALTER EGO 超・自己成長術」〜あなたの中の別人格」で最高のパフォーマンスを手に入れる〜
歌姫ビヨンセも実践した「サーシャ・フィアース」
この考え方でよく知られている例が、ビヨンセです。
彼女はステージに立つとき、「サーシャ・フィアース」という別の人格を使っていたと言われています。
普段は内気な一面を持つ彼女が、ステージでは大胆でパワフルに振る舞えたのは、
「役割としての自分」を意識的に切り替えていたから、とも考えられます。
「いつもの私」として歌うのが怖いとき、
「表現者としての私」という役割を借りてみる。
それだけで、気持ちが少し軽くなる人もいます。
モードを切り替えるという方法も
私たちは日常でも、無意識にモードを切り替えています。
仕事モード、プライベートモード、先生モード。
私自身も、ボイストレーニングの時間は自然と「先生モード」になります。
正直、オフの日の姿はあまり見せたくありませんが(笑)
切り替えのスイッチは人それぞれです。
衣装に着替える、場所を変える、呼吸を整える。
歌うときも同じで、
気持ちよく声を出すためには、技術だけでなく、
身体の準備や意識の向け方も大きく関わってきます。
意識は、声にそのまま表れる
どんな気持ちで立っているか。
どんな自分で歌おうとしているか。
声やパフォーマンスは、
思っている以上に「意識の状態」を正直に映し出します。
だからこそ、
「モードを切り替える」「スイッチを入れる」という考え方は、
自分の意識を助けてくれる一つの手段として捉えることもできます。
ただ、切り替える必要があるからといって、
理想の自分と比べて
「今の自分ではダメだから」と否定するための道具ではありません。
スイッチを切り替えることは、
別人に入れ替わることではなく、
自分の中にすでにある表現や力に気づくためのきっかけになるのかもしれません。
歌うためのメンタルスキルとは、
強くなることよりも、
自分との関係をやさしく整えていくことなのだと思います。