
こんにちは。ヴォイス道トレーナーの折笠マリコです。
今回は、私がボイストレーニングに取り入れている体幹ケアについてなるべくわかりやすく書いてみますね。
正直、体幹ケアは一度実際に体験してもらえると、すぐにその効果に気づいていただけるものなのですが、仕組みがよくわからないのにおいそれと実際に試しに来るのは怖いと思うので(苦笑)がんばってお伝えしたいと思います。
まずは「でんでん太鼓」を思い浮かべてみてください。今回の投稿にイラストを添付しました。ヒモが腕、玉が手、そして中央の棒を脊柱に見立ててみます。
でんでん太鼓は、棒の部分が安定し、しなやかに動くことで、玉が無理なく振り出されます。
人の身体も同じで、脊柱や骨盤、胸郭といった体幹が安定し協調することで、手足は効率よく、楽に動かすことができます。
「脊柱から動かす」というよりも、体幹が先に整い、その上で四肢が自然に動く状態が理想です。
肩が凝りやすい、腕がすぐ疲れる。
こうした状態は、腕そのものが悪いのではなく、体幹の安定や全身の協調がうまくいかず、結果的に腕や肩に負担が集中していることが多くあります。
運動や演奏、発声をアウターマッスル(表層筋)頼りで行うと、力が一点に集まりやすく、疲労や痛み、怪我につながりやすくなります。
インナーマッスル(深層筋)がうまく働いていないと、身体はアウターマッスルで補おうとします。
本来、効率のよい力の流れは、内側の安定がベースとなり、その上で外側の筋肉が無理なく働く状態です。
インナーとアウターはどちらか一方だけを使うものではなく、役割分担が整っているかどうかが重要になります。
体幹トレーニングとしてよく知られるプランクや腹筋運動も、インナーマッスルは確かに使われます。
ただし、インナーの協調がうまくいっていない状態で行うと、アウターマッスル優位の動きになりやすく、「鍛えるほど頑張り癖が強くなる」ことも少なくありません。
そのため、インナーマッスルを効率よく働かせる方法としては、必ずしも最適とは言えない場合があります。
インナーマッスルの使い方は、赤ちゃんが生まれて、寝返り、座り、立ち上がるまでの発育発達の過程で自然と身についていきます。
体幹ケアとは、その発育発達の動きを大人の身体に合わせて再学習させ、神経と筋肉の協調を取り戻していくプロセスです。
この土台が整うことで、動作の前に必要な安定性が自然と備わります。
だからこそ、どんな運動やトレーニング、演奏や発声の前に取り入れても、動きの質を高める助けになります。
体幹ケアは「鍛える」ためのものではなく、
力が無理なく伝わる身体に戻していくための準備なのです。
その準備が整えば、歌う時にも演奏する時も、無駄な力を使わず、怪我や障害が減り、効率よくスムーズな動きが可能になります。
長く・楽しく・心地よく、音楽を楽しむためにも活用できるのが、体幹ケアのセルフコンディショニングなのです。