こんにちは。こんばんは。
ボイスアライメントトレーナーの折笠マリコです。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、声についてとても大切なこと。
ボイストレーニングというと、「どうやって息を吸うか」「どうやって声を綺麗に響かせるか」といった発声テクニックに意識がいきがちですよね。
ですが、その前に……みなさんにひとつ問いかけたいことがあります。それは、
「そもそも、声を出す前に『しっかり立つ』ことができていますか?」ということ。
「え、立つのなんて普段から普通にできているよ」と思うかもしれません。
ですが、実はこの「しっかり立てているかどうか」が、声を楽に出せるかどうかに深く関わっているのです。
今回は、「二本の足」でしっかり立つことについて、「筋肉の役割」から、発声につなげてお話しします。
インナーマッスルとアウターマッスル、それぞれの「本来の役割」
私たちが二足で立つとき、まずは地球の重力に対してしっかりと立つ必要があります。
そのために、私たちの身体の中では大きく分けて2種類の筋肉が働いています。
それが「インナーマッスル(深層筋)」と「アウターマッスル(表層筋)」です。
この2つは、それぞれ役割が異なります。
- インナーマッスル(深層筋)
身体の深いところにあり、「骨を支える筋肉」です。骨格の位置を安定させ、身体を根底から支えてくれる柱のような存在です。 - アウターマッスル(表層筋)
筋トレなどで目に見えて鍛えられる筋肉です。本来の役割は、手足を動かす、走る、あるいは「声を出す」といった身体の運動をサポートすることです。
ここに、脱力できない大きなヒントが隠されています。
インナーマッスルが使えていないと何が起こる?
もし、骨を支えるインナーマッスルがうまく働いていないと、重力に対して骨格が不安定になります。
すると身体は倒れないようにするために、本来は声を出したり身体を動かしたりする『運動』のために使いたいアウターマッスルを、「身体を支える役割」として借り出してしまうのです。
家で例えるなら、柱(インナー)がグラグラしているから、壁やドア(アウター)を手で必死に押さえて家が倒れないように支えている状態です。
これでは、声を出したい時に使いたいアウターマッスルが「支える仕事」で奪われてしまいますよね。
この状態のまま「無駄な力を抜いて楽に声を出し出しましょう!」と言われても、身体は倒れないようにすでに力が入っているため、抜きたくても力を抜くことができないのです。
「しっかり立てる」と声のパフォーマンスが変わる
だからこそ、まずは骨を支えるインナーマッスルがしっかり機能し、無駄な力を使わずに「安定して立てている状態」を作ることが、運動機能を高めるための第一歩になります。
しっかり立てて初めて、アウターマッスルが「身体を支える仕事」から解放されます。
そうなって初めて、声を出すという運動に対してアウターマッスルを十分に使えるようになります。
- 声量やパワーを出したい時に必要な筋力をしっかり使えるようになる
- 声を安定させるための「ブレーシング(体幹の張りを保つこと)」ができるようになる
※「ブレーシング」とは、お腹周りを風船のように張り、体幹を安定させる状態です。歌う時にもこの力を利用しています。
声を出すための運動をスムーズにするためにも、まずは骨格を安定させて「体幹を整えること」が有効です。
自力での脱力は難しい?体幹ケアにツール(ストレッチポール)を使う理由
「まずは自分自身の身体がしっかりと安定して立てているか」を日常の中で意識してみてください。
もし「しっかり立てていないな」と感じる場合、歌うこと・声をしっかり出すこと以前に、日常の歩行などの動作においても土台のトレーニングが必要になります。
ですが、自分自身の意識だけでアウターマッスルを休ませ、インナーマッスルにアプローチするのは非常に難しいことです。力みをとろうとする意識自体が、アウターマッスルの緊張を生んでしまうこともあるからです。
そこで私のレッスンでは、ストレッチポールを活用した体幹ケアを取り入れています。
ストレッチポールを使うことで、アウターマッスルをリラックス(脱力)させた状態で、インナーマッスルへアプローチすることが可能になります。ツールを使うことが、自力では難しい「身体のリセット」をサポートしてくれるのです。
身体の安定は、心の安定にも繋がる
声を出すテクニックの前に、まずは自分の土台(体幹)を整えてあげること。
それだけで、声の出しやすさや脱力のしやすさはガラッと変わってきます。
そして何より、身体の土台が安定することは、精神的な安定性にも深く繋がっていると、日々生徒さんの変化を見ながら実感しています。
まずは今日、横断歩道の前で、電車を待っている時、などに「自分は今、しっかり立てているかな?」と身体に意識を向けてみてくださいね。
自分のお悩みや身体の状態に合わせたケアについて知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせ・レッスンにお越しください!
※この記事は、stand.fmでお話しした内容を文章にまとめたものです。音声で聴きたい方は、ぜひこちらの音声(※埋め込みプレイヤーまたはリンク)からお聴きいただけます。