トレーニングと同じくらい大事な、回復
声を鍛えることと同じくらい、大切なこと。それが「回復」です。
頑張ることと同じくらい回復を意識できると、声のコンディションはぐっと変わってきます。
若いうちは回復力が高いため、歌いすぎて声が出なくなっても、一晩寝ればすっかり戻るということがありました。
でも年齢とともに、そうはいかなくなっていきます。だんだんと完全回復が難しくなっていきます。
リカバリーピラミッドという考え方
スポーツの世界に「リカバリーピラミッド」という考え方があります。回復にも優先順位がある、というものです。これが声を使う人にも、そのまま当てはまります。
ピラミッドの土台、一番下にあるのは「睡眠」と「水分」です。
当たり前のことに聞こえるかもしれません。でも、声帯の粘膜は眠っている間に修復されています。
睡眠不足でレッスンに来られる方も多いのですが、声が出づらいのは当然のことです。そして水分不足による乾燥も、声帯の状態に直接影響します。
睡眠と水分、この2つが整っていなければ、どんなケアをしても効果が出にくい。まずここが全ての基本です。
そして、土台の上にあるのが「栄養」と「休息」です。
声を使いすぎたと感じたとき、意識的に声を休ませる時間を作ること。お仕事をされていると難しい場面も多いと思いますが、声を出さない時間を作ることで回復力は上がります。
プロのオペラ歌手の方の中には、公演が近いときほどなるべく喋らず過ごす時間を作る方もいます。
また実は、声を出さなくても文章を目で読むだけで筋肉は反応します。イメージトレーニングが実際の筋肉に影響するのと同じ仕組みです。
ステージ前は本を読まない、という話を聞いたことがあります。
栄養という面では、回復力を高めるという観点からタンパク質の摂取、イソフラボンやサポニンが摂れるお味噌汁や豆腐、粘膜をケアするビタミンA・B・C、ポリフェノールなどが挙げられます。
さらにその上には「入浴」、そして「アクティブリカバリー(積極的な回復)」が続きます。
アクティブリカバリーとは、身体に働きかけながら回復を促すアプローチのことです。
ストレッチ、筋膜リリース、スチームで喉を潤すこと、ストレッチポールもここに入ります。
さらにその上にはマッサージ、リカバリーウェア、呼吸法など、現在さまざまなアプローチの回復法があります。
ピラミッドの各段は互いに影響し合っているので、組み合わせて取り入れてほしいところですが、やはり土台である良質な睡眠が、声帯や筋肉の回復を最も促します。
自律神経と、ストレッチポール
良い睡眠のためには、自律神経を整えることが深く関わっています。
ストレッチポールは背骨を整えてくれることはご存知かと思いますが、背骨を整えることは自律神経を整えることにもつながります。
それが良い睡眠を促し、毎日手軽に続けられる。筋トレやヨガ、ピラティスが苦手な方でも、インナーマッスル・深層筋が無理なく鍛えられる。
だからこそ、ぜひ日常に取り入れてほしいと思っています。
睡眠不足のとき、声が出づらかった経験はありませんか?
意識していない方が多いのですが、睡眠と声のコンディションはしっかりとつながっています。
生徒さんの声が、出しづらそうだなと感じる日は、やっぱり寝不足だったりすることが多いです。
歌うことも運動ですし、話すことをお仕事にしている場合は喉もちゃんと疲れます。
声もしっかり回復させることが重要です。
「回復にも優先順位がある」というリカバリーピラミッドの考え方を、頭の片隅に置いておいてもらえると嬉しいです。